皆さんこんにちは。今回は、「類ごとの性質に応じた技術基準」や「詰替え・使用・廃棄」のルールについて解説していきます。
危険物の政令について解説してきましたが、ついに今回が最後になりました。
次回からは、危険物の規則の分野にうつります。最後までぜひご覧くださいね。
さて、危険物は、類によって性質が大きく異なるため、それぞれに合った取り扱い方法が求められます。
いつも通り、わかりやすく表形式で表しましたので、参考になればと思います。
1.類ごとの貯蔵・取扱いの技術基準
代表的な例とキーワードを押さえておきましょう。
類 | 危険物の例 | 主な注意点 | 試験キーワード |
---|---|---|---|
第1類 | 塩素酸塩、過塩素酸塩 | 可燃物:接触、混合禁止 アルカリ金属:水の接触禁止 分解を促す物品:摩擦・衝撃・過熱に注意 | 接触・混合・摩擦・衝撃・過熱・アルカリ金属=水 |
第2類 | 硫黄、マグネシウム、鉄粉 | 全般:炎、火花、高温体への接触、加熱の禁止 酸化剤:接触、混合を避ける 鉄粉、マグネシウム等:水、酸の接触禁止 引火性個体:蒸気の発生防止 | 酸・炎・水・蒸気の発生・加熱 |
第3類 | アルキルアルミニウム、黄りん | 自然発火性:炎、火花、高温体への接触、加熱及び空気NG 禁水性→水NG | 空気・水との接触 |
第4類 | ガソリン、灯油、アルコール類 | 全般:炎、火花、高温体への接触、加熱の禁止 みだりに蒸気の発生を避ける | 蒸気・静電気・火花 |
第5類 | ニトロ化合物 | 衝撃・摩擦・過熱・火花を避ける | 摩擦・衝撃・過熱 |
第6類 | 硝酸、過塩素酸 | 可燃物との混合や過熱はNG 分解促進物との接触注意 | 混合・過熱 |
※特に「過熱」は多くの類で共通リスク。
2.詰替えの技術基準
危険物を容器に詰め替える作業も、火災・爆発防止の観点から厳しい基準があります。
項目 | 内容 |
---|---|
使用容器 | 総務省令で定められた構造の容器 |
詰替え場所 | 屋内外いずれでもよいが、防火上安全な場所で行う |
作業基準 | 「貯蔵・取扱いの技術基準」と同様の基準に適合させること |
3.消費(使用時)の技術基準
危険物を使う作業には、作業場所や設備、換気、温度管理などの安全対策が求められます。
作業内容 | 注意点 |
---|---|
吹付塗装 | 防火区画された場所で実施(隔壁など) |
焼付け作業 | 危険物が危険な温度に達しないように管理 |
染色・洗浄 | 換気を十分に行う/廃液は適切に処理 |
バーナー使用 | 逆火防止/液面あふれ防止の措置をとること |
4.廃棄の技術基準
不要になった危険物は、火災や環境汚染を防ぐために適切な方法で廃棄する必要があります。
方法 | 内容 |
---|---|
焼却 | 安全な場所で実施し、他に危害または損害を及ぼす恐れのない方法で行い、見張人を配置する |
埋却 | 性質に応じ、安全な場所を選定して埋却する |
禁止事項 | 危険物を海・川・排水路へ流すことは禁止されている |
5.事故発生時の応急措置
事故が発生した場合には、次のような対応を行います。
- 危険物の流出を止める
- 流出した危険物の拡散を防ぐ
- 危険物を除去・清掃する
- 災害発生防止のための応急措置を講じる
6.試験対策チェックリスト
- 各類の特徴的なキーワード(空気・水・混合・過熱)を暗記したか
- 詰替え作業は、防火上安全な場所+基準適合容器で行う
- 使用時の注意点は「区画」「換気」「逆火防止」がポイント
- 事故時対応は「止める・広げない・除去・防止」の4ステップ!
まとめ
いかがでしたか。
危険物の取り扱いでは、類ごとの性質を正しく理解し、それに応じた技術基準を守ることが安全確保の基本です。
試験では、類の違いや作業別の技術基準が選択肢の“ひっかけ”に使われやすいため、キーワードごとに覚えて、場面に応じた行動基準を整理しておくことが合格への近道かと思います。
ぜひ、何回か読んで、問題に取り組んでください。
今回もありがとうございました。
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