皆さんこんにちは。今回は、危険物取扱者試験でも頻出の「製造所等の法令手続き」について、初心者向けに解説していきます。
危険物を扱う施設(製造所・貯蔵所・取扱所など)では、設置から使用、変更、廃止に至るまで、消防法に基づく厳格な手続きが定められています。
最初はとっつき辛いと思いますが、一緒に頑張って学んでいきましょう。
1. 設置・変更時の手続きと検査の流れ
項目 | 内容 | 手続きのタイミング |
---|---|---|
設置許可 | 製造所等を新たに設置する場合、市町村長等の許可が必要 | 工事開始前 |
変更許可 | 位置・構造・設備の変更(増改築を含む)を行う場合、同じく許可が必要 | 工事開始前 |
完成検査 | 工事完了後に市町村長等による検査を受け、合格すれば使用可能となる | 工事完了後 |
完成検査済証の交付 | 完成検査に合格した証明書。交付後に初めて使用が許可される | 検査合格時 |
✅ ポイント
- 許可申請時には、構造や設備に関する図面・明細書の提出が必要です。
- 許可が下りる前に工事を始めることはできません。
2. 完成検査前検査(中間検査)の実施
液体危険物を扱うタンクなど、一部施設では工事中に「完成検査前検査(中間検査)」が必要です。
対象施設 | 内容 | 実施時期 |
---|---|---|
液体危険物タンクを有する製造所等 | 工事中に市町村長等が内部構造などの検査を実施 | 完成検査の前(工事中) |
✅ 注意点
- 工事終了後には確認できない部分(例:タンク内部)を検査するため、重要な手続きです。
- 液体危険物タンクがない場合には実施不要です。
3. 仮使用の承認手続き
工事中であっても、変更していない既存の部分を先に使いたい場合は「仮使用の承認」が必要です。
内容 | 対象施設 | 手続きの必要性 |
---|---|---|
工事中の一部仮使用 | 変更工事に関係しない部分 | 市町村長等の承認が必要 |
✅ ポイント
- 工事が完了した変更部分については、完成検査後でなければ使用できません。
4. 危険物の品名・数量・倍数変更に関する届出
取り扱う危険物の内容に変更がある場合は、事前に届出が必要です。
変更内容 | 届出義務者 | 届出期限 |
---|---|---|
危険物の品名・数量・指定数量の倍数の変更 | 所有者等 | 変更の10日前まで |
✅ 例
- 取り扱うガソリンの量が増える場合
- 危険物の種類を追加したい場合
5. 譲渡・用途廃止時の届出
製造所等を他者へ譲渡する場合や、用途を廃止する場合も届出が必要です。
項目 | 内容 | 届出先 | 届出期限 |
---|---|---|---|
譲渡・引渡し | 地位を承継した者が市町村長等に届出 | 市町村長等 | 遅滞なく |
用途廃止 | 所有者が用途廃止を市町村長等に届出 | 市町村長等 | 遅滞なく |
まとめ
- 設置や変更工事は許可を得てから着手
- 工事完了後、完成検査に合格しないと使用不可
- 液体危険物タンクがある場合は中間検査が必要
- 工事中の仮使用には仮使用の承認が必要
- 危険物の品名・数量等の変更は10日前までに届出
- 譲渡・用途廃止時は遅滞なく届出
おわりに
いかがでしたか。
製造所等に関する手続きは、すべて消防法に基づく法的義務です。
特に危険物取扱者試験では、
「どこに(例:市町村長等)」
「必要なタイミング(例:10日前等)」
「何をする(例:届出又は承認)」
を正しく理解しておくことが重要です。
しっかり押さえていきましょう。
今回もありがとうございました。
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