暑さで集中力低下に要注意!ヒューマンエラーを防ぐ環境づくり

防災

皆さんこんにちは。今回は「暑さ」と「ヒューマンエラー」の関係に着目し、職場での事故防止や安全管理のために知っておきたい対策を解説していきます。

夏の職場環境、特にエアコンの届きにくい現場や屋外では、高温による集中力の低下や判断ミスが起きやすくなります。
「単なる疲れだろう」と見過ごしていたミスが、実は“暑さが原因”だった…というケースも少なくありません。

人の注意力は環境に左右されやすく、気温が30℃を超えると作業効率は徐々に低下するといわれています。
今回は、ヒューマンエラーの予防という視点から考える“暑さ対策”を紹介します。一緒に学んでいきましょう。


1. 暑さによる集中力の低下が招くリスク

高温環境は、身体への負担だけでなく、思考や反応のスピードにも影響を与えます。

  • 汗をかくことで体内の水分と塩分が失われ、脳の働きが鈍くなる
  • 頭がぼーっとして判断が遅れたり、間違った操作をしてしまう
  • 気温30℃以上では、作業効率が約10~20%低下するというデータも
  • 長時間同じ環境にいると、“暑さ慣れ”して自覚が薄れ、危険行動を起こすことも

2. エラーを防ぐための「室温・湿度」の管理

まず重要なのは、環境そのものを整えることです。

  • 室内は「28℃以下・湿度50~60%」が集中維持の目安
  • 扇風機やサーキュレーターで空気を循環させ、ムラを減らす
  • ブラインドや遮熱フィルムで日差しをカット
  • エアコンのフィルターはこまめに清掃し、性能低下を防ぐ
  • 熱がこもりやすい場所(機械室・倉庫など)には温湿度計を常設

3. 「ヒューマンエラーを起こしやすい条件」を意識

ヒューマンエラーが起きやすいのは、疲労や焦り、集中の途切れがあるときです。

  • 長時間の連続作業(1時間を超える場合は特に注意)
  • 汗をかいて水分が不足している状態
  • 複数人での確認作業時、声掛けや確認が雑になっている
  • 午後の作業(13〜15時)は、集中力が最も落ちやすい時間帯

対策としては、以下の内容が考えられます。

  • 作業を細かく区切り、こまめに休憩を取るルール化
  • 「声掛け」「指差し確認」「ダブルチェック」の徹底
  • 無理に作業を続けない雰囲気づくり(上司から声をかける)

4. 「暑熱順化」と「水分・塩分補給」で事故予防

身体が暑さに慣れる(暑熱順化)には、日数がかかるため、意識的に準備が必要です。

  • 初夏のうちは、無理をさせず徐々に体を慣らす
  • 水分補給だけでなく、塩分も一緒に補う(経口補水液や塩飴など)
  • 「のどが渇いていなくても飲む」ことが大切
  • 汗をかいた後に、冷房で急激に冷やすと体調不良のもとに

また、個人差が大きいため、体調不良の兆候が見られたら即休憩を徹底しましょう。(暑熱順化についての記事はこちら「暑熱順化とは」)


5. 「暑さによるエラー」もヒヤリハットに記録する

ヒューマンエラーの多くは、再発防止の材料となります。

  • 作業ミス・操作ミスが暑さと関係ありそうな場合は、記録に残す習慣を
  • 「原因:暑さによる集中低下の可能性」などのメモを追記
  • 定期的に集計・分析することで、「どの時間帯・作業内容でミスが起きやすいか」が見えてくる

→注意点が見えることで、環境改善やシフト調整などの“仕組み対策”が可能に


まとめ|“集中できる環境づくり”が安全を支える

いかがでしたか。

暑さは、見えない形で作業効率や安全性をむしばんでいきます。
特に、人の注意力に依存する作業では、「環境によるヒューマンエラー」が起こりやすくなります。

  • 湿度の管理は“安全対策”の一環と捉える
  • 作業中はこまめな休憩・水分補給を“ルール化”
  • ヒューマンエラーの記録には暑さ要因も含める

暑さに負けず、集中力を保てる職場環境を整えることが、安全と効率の両立につながります。
今年の夏も、事故ゼロで乗り切っていきましょう!

今回もありがとうございました。

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