移動タンク貯蔵所に関するポイントまとめ【危険物取扱者試験対策 6】

法令

皆さんこんにちは。今回は、「移動タンク貯蔵所(タンクローリーなど)」に関する基準や運用上のルールを前回のつづきから解説していきます。【前回の記事はこちら(危険物取扱者試験対策 5)】

特に、書類の備え付け義務・消火設備・接地措置・人員要件などは、実務にも即した内容で、覚えておいて問題はありません。

一緒に学んでいきましょう。


1.備え付け書類(常備すべき書類)

書類名内容
完成検査済証設置完了後の法定検査に合格したことを証明
定期点検記録安全確保のために行った定期点検の記録
譲渡・引渡し届出書所有者等が変更された場合に提出
品名・数量の変更届出書危険物の品名・数量または指定数量の倍数を変更した際の届出

2.必要な消火設備

消火設備内容
第5種消火設備小型消火器を2個以上常備することが必要
(これは自動車用の小型消火器です。)

3.構造・運用に関する基準

  • 移動タンクの固定
     危険物を積載中は、牽引車と被牽引車を連結した状態を保つ。
  • 接地措置の必要性
静電気による災害が発生する恐れがある物質
(ガソリン・ベンゼン等)
対応
移送 時接地導線(アース)を設けること
危険物の注入・取出し 時必ず接地する(省令に基づく)

4.移送時の人員と資格

危険物の種類必要な資格
ガソリン・灯油・軽油・重油丙種乙種第4類 または 甲種
アルコール類乙種第4類 または 甲種

※ 運転手または助手のどちらか1名以上免状を携帯して乗車することが必要。


5.免状の提示義務

  • 消防吏員りいんや警察官、災害防止の観点から走行中の車両を停止させ、免状の提示を求めることができる。

6.詰替え時の規制

規定項目内容
液体危険物の詰替え原則禁止
ただし、引火点40℃以上の第4類危険物(重油等)指定容器を使用する場合は可能
ノズルの構造手動開閉式で、開放状態で固定できないものを使用すること。

7.注入・荷降ろし時の原動機停止

  • 引火点40℃未満の危険物を注入・荷降ろしする際は、原動機を必ず停止すること。

8.点検事項(移送前)

点検対象内容
タンクの底・弁・注入口のふた閉鎖されていることを確認
消火器など設置場所・機能に問題がないか確認

9.長時間運転の対応

条件必要な措置
1人での運転が連続4時間超または1日9時間超2名以上の運転者が必要
「連続運転」の定義1回10分以上かつ、合計30分以上運転の中断をすることなく連続して運転がある場合

最終確認

  •  完成検査済証や定期点検記録などの4種類の書類を備えているか?
  •  自動車専用の小型消火器が2個以上設置されているか?
  •  ガソリン等の注入時に接地導線を使用しているか?
  •  危険物取扱者の免状を携帯して乗車しているか?
  •  引火点40℃未満の注入時に原動機を停止しているか?
  •  ノズルの構造は安全基準に適合しているか?
  •  長時間運転時に運転手が2名以上配置されているか?

おわりに

いかがでしたか。

移動タンク貯蔵所に関する規定は、構造・設備面から運用・人員・安全対策まで幅広い内容が含まれています。

出題範囲が広いため、今回のように項目ごとに表とチェックリストで整理して学習するのが効果的です。

特に、積載書類」「免状携帯義務」「第5種消火設備の3点は頻出の重要ポイントです。
確実に覚えておきましょう。

今回もありがとうございました。

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